11月に入ってすぐ、私にヴァイオリンを教えてくださった二人の恩師に久しぶりに会う事ができました。

小学3年生の時、家族で引っ越して来た埼玉県鶴ヶ島市でヴァイオリンを教えていただいた野村恵子先生と、その野村先生の先生で、現在は武蔵野音楽大学の名誉教授でもある萩原耕介先生のお二人との長寿をお祝いするお食事会に参加させていただいたのです。

野村先生はとても研究熱心な先生で、ヴァイオリンの個人レッスンだけではなく、毎月のグループレッスンでは合奏や楽典を楽しく教えて下さったり、発表会では音楽劇を企画したりと本当にエネルギーの塊のような明るい先生で、私に演奏家以外の道に興味を持たせてくださったすばらしい先生です。

萩原先生は、音楽高校受験のために野村先生を通じて中学生の時からお世話になりました。片道2時間半の道のりを母や姉に付き添ってもらってレッスンに通い始めてから、大学卒業までみっちりと、とにもかくにも基礎を叩き込んでくださった先生です。レッスンでは毎回2時間以上も見ていただいていたと思いますが、その内容を毎回ビデオに録画下さったので、それを持ち帰って復習と課題を次のレッスンまでになんとか仕上げて。。先生の「練習を1日休むと3日戻る」の言葉を真面目に守って必死に練習していました。厳しく的確な指摘の合間にもユーモアと温かを感じることができたので、先生に教わった学生はみんな先生を慕っていて、門下同士とても仲が良かったです。

普通のサラリーマン家庭で姉妹もいる私には、私立の音楽大学でヴァイオリンを学ぶなんてとんでもないことだったわけですが、両親も反対することなく受験させてくれたこと、姉や妹にも、恐らく家計を心配して希望の学校ではなく学費の安い学校を選択させてしまったこと、音大受験に20万円もしない楽器で挑もうとしていた私に高額な楽器を貸してくださった方がいたこと、入学してから5年ローンを組んでアルバイト代で楽器を購入したこと、せめて学費以上の知識と技術は回収しようと朝、学校の門が開いてから21時に門が閉められるまで、手作りおにぎり二つを持って大学に入り浸って練習しまくって勉強しまくったこと、、、

先生たちの話を聞きながら忘れていたいろいろなことを思い出しました。改めて、私はたくさんの素晴らしい人に出会ったことで、自分の人生が深くなっていることを認識しました。

お二人とも体調に不安を持たれているようですが、先生としての威厳は全く薄れる事がなく、いろいろなお話をしてくださいました。一緒に参加した後輩も、卒業後は地元に根付いたレッスンをしているとのことで、先生としての貫禄が出ていて私には眩しく逆に先輩のようでした。(笑)


この数日、新型コロナウィルス感染症が急激に広がっていてきていているので、何とかその前に先生たちにお会いすることができて、本当に良かったと感じています。

私はまだまだ頑張らなくちゃ。

三谷峰生

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